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2019/05/27 【文化財小話】山口県 東西の仏様

 平成から令和への10連休に、京都や奈良の寺院で仏像を見る機会のあった方も多いのではないかと思います。山口県内にも多くの仏像があり、私たちを見守ってくれています。今回はその中で、県東部と西部から、重要文化財の仏像を紹介します。

 周防大島町日見の西長寺の護摩堂に安置されている木造阿弥陀如来坐像は、「日見の大仏」として知られています(右の写真)。高さ284㎝、もし仏様が立ち上がったなら1丈6尺(約485㎝)になることから、丈六の仏とも言われます。ヒノキ材の寄木造で、平安時代後期、12世紀に造られました。平成27・28年度に護摩堂(左の写真)の屋根の修理、湿気対策等の工事が行われました。
 西長寺の阿弥陀如来坐像は、西に向いて鎮座しています。実際に境内に立つと、お寺は西が開けた高台にあり、夕日が沈む西方に極楽浄土が存在するという思想を実感することができます。まさに、地名の「日見」そのものです。
 県西部、長門市油谷の向津具半島にある二尊院には、木造釈迦如来立像・木造阿弥陀如来立像が安置されています。阿弥陀如来坐像の像内(右耳部)に「文永五年八月□」、同じく像内(左耳部)に「法橋院□」、同じく像内(脚部正面)に「文永三年九月」の銘文があり、鎌倉時代中期に造られたことが判明しています。ともにヒノキ材の寄木造りで、高さは約98㎝です。
 平成28年度に、経年の汚れの除去、殺虫殺菌、漆の剥落止め、台座や光背の調整などの保存修理が行われました。これまで見えにくかった彩色や彫刻の跡が、より鮮やかに確認できるようになっています。詳しくは同寺院の田立住職による原稿(『山口県文化財』第48号、平成29年9月、山口県文化財愛護協会発行)をお読みください。
 これらの貴重な仏像は、寺院や地域の皆さんの御尽力により守られてきました。本ホームページが、県内の仏像やその他の文化財に関心をもっていただける契機になれば幸いです。(慎)



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